ヨーロッパ17か国周遊記(パリ編②)

9月5日、今日はパリの街を観光する。まず向かうのは、ルーブル美術館。 最寄り駅は メトロ7番線の Palais-Royal/Musée du Louvre(パレ・ロワイヤル/ミュゼ・デュ・ルーヴル) 。フランス語ではあるが、ルーブルという駅名なのでわかりやすい。

ルーブル美術館

ルーブル美術館は、73,000㎡の面積の中に、35,000点もの美術品が展示されている。一日で全部を見るのは物理的に不可能なので、モナ・リザやミロのヴィーナス等有名なものを見て回り、時間の許す限り、その周辺の展示物をさっと見て回る感じになるだろう。最初から全部じっくり見ようとすると、最悪モナ・リザ等の有名展示物にたどり着く前に閉館時間が来る可能性があるので注意。入場料は15ユーロ

ルーブル美術館正面、ガラス張りのピラミッドが特徴。

カルーゼル凱旋門

ルーブル美術館の敷地内にある、カルーゼル凱旋門 。本家エトワール凱旋門と比べると結構小さい。実は最初に作られたののはこちらの凱旋門で、ナポレオンはこの凱旋門の小ささに不満を持ち、さらに大きな凱旋門の建設を命じて建てられたのが、エトワール凱旋門。実はこちらの方が本家本元。
凱旋門の上には兵士の彫像があり、壁面にはナポレオン軍の活躍する場面の彫刻が施してある。小さいが華やかな凱旋門。

ルーブル美術館内部、古代ギリシャ時代の彫像がいっぱい。

1階リシュリュー翼・コルリバードの中庭近くには、 紀元前18世紀頃、バビロンの王が作らせた 「目には目を、歯には歯を」 のハンムラビ法典 がある。

ハンムラビ法典

玄武岩製の石碑には、楔文字とアッカド語で、日常生活規則、家族や奴隷、農業や行政の権利、婚姻等について定められている。

ハムラビ法典は、やられたら同じことをやり返せという復讐法だが、法典の主旨は、やられた以上にやり返してはいけないと、過剰な復讐を禁じており、半沢直樹的な倍返しはこの時代では違法なのである。

リシュリュー翼1階の奥には、派手なシャンデリア等、贅沢な装飾が施されたナポレオン3世の居室がある

廊下もまた豪華で、壁や天井いっぱいに彫刻や絵画が施されている。ここでみんな立ち止まるので、この廊下は結構渋滞して進まない。

古代エジプト美術部門の入り口には花崗岩のスフィンクス がある。

ミケランジェロが彫った、2体の彫像。片方は非常に若く美しいが、今にも亡くなりかけようとしているため、「瀕死の奴隷」と呼ばれている。もう1人は、激しく抵抗する様子を見せており「抵抗する奴隷」と名付られている。対照的な2体の彫像は何を示したかったのか未だに不明。

サモトラケのニケ

サモトラケのニケは、ヘレニズム時代を代表する彫刻で、サモトラケ島で見つかった勝利の女神ニケの彫刻。頭と腕が失われているが、それが何とも言えぬ芸術性を見せており、 不完全ゆえの美しさといった感じ。

「ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠」ドラクロワ作
当初、ナポレオン自身の戴冠を描写する予定だっだが、傲慢な感じがするので、皇妃ジョゼフィーヌに戴冠する姿に変更した。近世フランスを代表する大作。

ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠

ルーブルにはドラクロワの名作がもう一つ、「民衆を導く自由の女神」フランス7月革命をテーマとした大作。フランス国旗を掲げ群衆を先導する女性を中心に、同志の遺体を乗り越え、自由を勝ち取るために、闘争を繰り広げるフランスの民衆の姿が描かれている。殆どの日本の高校で使う世界史の資料集に乗っているのではないか。女神の姿はジャンヌ・ダルクがモデルではないかと言われている。

民衆を導く自由の女神

ヘレニズム美術の傑作と言われている 「ミロのヴィーナス」

この彫刻は、1820年にエーゲ海のミロス島で、ギリシャ人の農民によって発見された。両腕のない姿は、サモトラケ゚のニケと同じく不完全ゆえの美しさを感じる。

ミロのヴィーナス

ついに登場。これを見ずして帰れない「モナ・リザ」。レオナルド・ダビンチの数少ない絵画の一つで、ルーブル美術館で一番の目玉。この作品は謎が多く、モデルの素性や、製作期間、ルーブル美術館収蔵に至るまでの経緯等、よく分からないことばかり。何ともミステリアスな絵である。

モナ・リザ

朝一番からルーブル美術館を見て回り、世界史の資料集に載っているメイン有名作品を中心に見て回ったが、それでも見学に4時間かかった。まともに見ていれば普通に開館から閉館までかかりそう。美術館の外に出て、パリの他の観光地を回る。

※ルーブル美術館の入り口付近には署名詐欺ORスリが常駐していて、若い女性が署名をしつこく求めてくる。署名したら、金をよこせと言われるパターンと、署名している間にスリをするパターン、もしくはその両方ある。毅然とした態度を示すこと。

ルーブル美術館の側を流れるセーヌ川。クルーズをやっているので時間のある人はセーヌ川クルーズもいいだろう。

サン ジェルマン ロクセロワ教会。 ルーブル美術館の裏手にある教会
他の教会に比べるとマイナーだが、荘厳で見応えがある。
フランス史上最大の大虐殺といわれる1572年8月のサンバルテルミの虐殺は、この教会の鐘の音が合図となったといわれている。

サン ジェルマン ロクセロワ教会

さらに歩き、コンコルド広場へ到着。
広々として平和な感じがする広場だが、フランス革命時代はここで毎日ギロチン処刑を行っていた 。オベリスクが高々とそびえ立つ。

コンコルド広場

フランスの中心であるシテ島のノートルダム大聖堂に到着。フランスの全ての道の標識は、ここを起点にパリからの距離が計算されている。

ノートルダム大聖堂は、初期ゴシック建築の最高傑作と言われ、世界遺産に登録されている。帝政を宣言したナポレオンの戴冠式が行われた場所でもある。

大聖堂内部は、森をイメージして作られた見事なステンドグラスが並んでいる。ステンドグラスのデザインは、一つ一つ違いキリストの一生が描かれている。
また、階段を上って大聖堂の屋上にも上ることができる。屋上からはパリが一望でき、ノートルダム大聖堂の大きな鐘を見ることができる。

※2019年に大火災が発生して大部分が焼け落ち現在修復中。元の姿が見られるのは早くとも2025年だそう。。。

ノートルダム大聖堂

パリを歩き回っているうちに日没を迎えた。一昨日と昨日はホテルに戻るのが遅かったので、今日は早めにホテルに戻り休むことにする。パリに来た時から感じていたが、あまり治安が良くない。日没後は歩き回らないほうがいいだろう。

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