中東周遊記(キプロス&北キプロス・トルコ共和国編)

1月21日、12時55分のミドルイースト航空で、クウェートからレバノンのベイルートに向かう。飛行機の窓からイラク南部の山岳地帯が見えた。

一面雪模様

レバノンで入国拒否

14時半にベイルートに着いて、乗り継ぎの飛行機が20時なのでそれまで市内観光をするべく、入国審査場に向かう。入国審査官にホテルはどこかと聞かれたので、トランジットの観光なのでホテルは取っていない、中心部を見学してすぐ戻ってくるつもりだと答えた。
すると、入国審査官の顔が曇る。 。。
レバノンではホテルの予約をしていない場合は入国を拒否していると言われ、そのまま、乗り継ぎエリアに行くように指示された。
乗り継ぎエリアに免税店があるから搭乗時間まで買い物でも楽しみなさいとのこと。いやあ、自分としては免税店よりベイルート市内観光が100倍楽しいんだけどなあ。。 。
仕方なく空港で時間を潰し、20時のミドルイースト航空でキプロスのラルナカ空港へと飛ぶ 。

キプロスのニコシア空港へは20時45分に到着。EUの入国スタンプが押される。
キプロスはヨーロッパから離れた島国だがギリシャ系の住民が多くEU加盟国。勿論通貨はユーロ。中東を旅していてふと欧州圏に入り不思議な気分になった。

キプロス空港からニコシア市内への行き方

キプロスのラルナカ空港からニコシア市内へはタクシー、エアポートバス、市バスで行くことができる。
車で1時間程度と離れており、タクシーだと少し高めになる。

★オススメは①のエアポートバス

①エアポートバス:到着フロアの1階から乗ることができ、空港内にチケット売り場があるのでそこで購入。運賃は9ユーロ。所要1時間。
ただ、ニコシアのバスターミナルは旧市街から4キロ程度離れており、158番の路線バスに乗るか、タクシー(10ユーロ)でアクセスしないといけない。

②タクシー:ニコシアまで50ユーロ程度、所要1時間

③市バス:ラルナカ市内まで行き、ニコシア行きのバスに乗り換える。運賃は合計6.5ユーロで、一番安いがラルナカで乗り換える必要がありお勧めできない。

大きなワゴンタイプのエアポートバスに乗り、1時間ほどでニコシア郊外のバスターミナルに到着。バスターミナルでタクシーを拾い、メータを使って貰い7.5ユーロでホテルまで連れて行ってもらった。

本日のホテルは Executive Suites ホテル。宿泊費は約4000円

ホテルにチェックインしようとするが、1時間探してもフロントが見当たらない。仕方なく、部屋をノックして宿泊客にフロントのありかを聞いたところ、向こうの系列ホテルでチェックインをやっていらしい。。。
たまにあるパターンだがチェックインできずに焦った。

https://www.tripadvisor.jp/Hotel_Review-g190383-d3442768-Reviews-Executive_Suites-Nicosia_Nicosia_District.html

1月22日、ニコシア市内を観光する。

キプロス共和国 ニコシア

キプロスは地中海に浮かぶ四国の半分ほどの島国。その首都ニコシアは、島の内陸部に位置する街。ギリシャ語の発音でレフコシアとも呼ばれている。

キプロスは、元々ギリシャ系住民とトルコ系住民が住んでおり、1960年にイギリスから独立を果たした。ところが、1974年に起きたギリシャ系住民のクーデターを機にトルコ軍が侵攻し、島の北東約3分の1を「北キプロス・トルコ共和国」として支配してしまった。 現在国連が管理する緩衝地帯「グリーンライン」が首都ニコシアを分断し、今に至っている。
ただ、現在軍事衝突はなく、いたって平和な状況が続いており、観光客の行き来も可能である。
北キプロスは、世界で唯一トルコだけが国家として承認していて、世間一般的に国としては認められていないが、南北キプロスでは政治体制、通貨、言語。、宗教も全く異なっており、事実上は別の国家。
自分が行った国としてはカウントしないことにした。

ホテルを出て、ニコシア市内を回ることにする。

ファマグスタ門 

旧市街の東の外れにある16世紀に造られた歴史ある門で、 城壁から入る門では最も大きな門だった。現在は使用されていないため、閉門している。

自由の記念像

旧市街の東端、ファマグスタ門から城壁に沿って南に向かうと、5分強で自由の記念像に着く。
中央に女神が、左右に鎖を持って引き上げる軍人がいる大きな記念像となっている。辺りは小さい広場になっているが、この辺りは街はずれなので誰もいない。
記念像には落書きがされ、放置されている。 。。

大主教の館

ファマグスタ門から自由の記念像を経て、旧市街中心部に戻る途中にある建物で、 キプロス正教会の本部となっている。  
建物の前に建っているのは、大主教でありキプロスの初代大統領 「マカリオス3世」の像。中には入れなかった。

★南キプロスから北キプロスへのアクセス

パスポートさえ持っていれば簡単に国境を越えることができる。
※南から北に行く場合、24時間以内に戻ってこないといけない。

南キプロスの賑やかな目抜き通りのレドラ通りを北に10分程歩くと、南キプロスの出国ポイントに到着する。
南側のキプロス共和国は北キプロスを認めていないので、南側の出国はチェックされずフリーパス。
そのまま緩衝地帯を北に歩いて行くと、北キプロスの国境検問所に到着する。
ここの窓口でVISASと書かれた用紙を貰い、そこに英語で氏名、パスポート番号、国籍を記入してパスポートとともに提出すると、 その用紙にスタンプを押されて北キプロスに入国できた。 パスポートにはスタンプは押されない。

帰りはその逆で、北キプロスのでは入国時の用紙に出国スタンプを押され 、
そのまま歩いて南側の国境検問所へ向かう。こちらはパスポートチラ見せでOK。

※北キプロスの空港から北キプロスに入国して、境界線を通って南キプロスに入国し、そこから出国することはできない。
知らないと出国拒否されて悲惨なことになるので注意。

https://www.cy.emb-japan.go.jp/itpr_ja/north_cyprus_entry.html
(在キプロス日本大使館のHP)

セリミエ モスク

地味だが北キプロスで一番の見どころ。
南側からも見える大きな尖塔を持ったモスクで、国境から歩いて5~10分ほど。
元々13世紀に、聖ソフィア聖堂として建てられた教会で、オスマン帝国時代にモスクに改装された。
南はギリシャ正教だが、北はイスラム教と、グリーンラインを超えると全く違う文化と街並みが広がっている。

北キプロスのローカルのケバブ屋で遅い昼食をとることにした。値段表はユーロではなくトルコリラ建てになっている。前にトルコに行った時のリラの余りを持っていたので、問題なし。
6リラのビーフケバブを注文したが、出てきたのはチキンケバブ。そういえば、向かいに座っていた黒人がさっきチキンケバブを注文しているのを思い出した。黒人に目をやると、ビーフケバブを食べている。クレームをつけるのも面倒なのでそのまま食べることにした。

ホテルに戻ると、部屋のドアの前に猫が座っていた。

この日は16時位にホテルに戻り、ゆっくり過ごした。
翌日は郊外のバスターミナルまで徒歩で行き、空港シャトルバスに乗り、空港へ。 13時のフライトでこの旅の最終目的地ヨルダンに向かう。

【まとめ】

キプロスは観光の点ではマイナーな国で、キプロスに行く日本人は、毎年600人くらいで推移しているそう。唯一の見どころといえば、分断している首都だろうか。
南北キプロスにはパスポートさえ持っていれば簡単に行き来できるが、そこには南北で民族も文化も全く違い、異なる風習の民族が共存する難しさが垣間見えた。
この国境を見ると色々考えさせられる。

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