東欧・バルカン半島縦断旅行記(セルビア・ベオグラード編)

11月10日朝6時50、コトルから夜行バスでセルビアの首都ベオグラードに到着。運転手の「ベオグラード!ベオグラード!」という声で到着に気づく。ベオグラード中央駅のそばでバスを降ろされた。ついにこの3週間の旅の最終目的地に到着。

このバルカン半島にあるセルビアの首都、ベオグラードは元々ユーゴスラビア社会主義連邦共和国の首都であり、旧ユーゴスラビアの最大都市だった。

1998年、セルビアの一部であったコソボが独立を図ったことに端を発したコソボ独立紛争が発生。コソボ紛争が泥沼の争いに発展してしまったため、NATO軍が介入することになった。当時、セルビアはロシア側勢力、いわゆる東側諸国であったので、西側諸国のNATO軍はコソボ側に味方し、セルビアの首都ベオグラードを空爆することになった。

ユーゴスラビアが解体した後も、160万人の人口を抱え、セルビア共和国中心であり続ける。個人的にはベオグラードって響きが何かかっこいい。

NATO空爆ビル

ベオグラードで一番有名なのは、ユーゴスラビア戦争の空爆で破壊された姿がそのままになっている「NATO空爆ビル」。Kneza Miloša通りとNemanjina通りの交差点近くに建っている。この建物はユーゴスラビア時代、国防省ビルとして利用されていたが、1999年にNATO軍によるベオグラード空爆の際に、重要標的として狙われて破壊された。

現在は町の殆どが再建され、いたって平和なベオグラード。この建物のみが爆撃を受けた当時の姿を留めており、ここで何が起こったか歴史を物語っている。

早朝7時半、空爆ビルの近辺はまだ人通りが少ない。

ベオグラードの街は、当時の姿に戻すべく再建されている。

聖サヴァ大聖堂

聖サヴァ大聖堂 は、街の南外れにある世界最大級の正教会大聖堂。ベオグラードで存在感のあるこの教会は、1935年に建築がスタートしたのだが、戦争によって中断されてしまい実は今だに建築中というサグラダファミリア状態。ただ、外観部分は完成しているので、外から見る限りは完成しているように見える。内部の大半はまだ完了していないが、見学可能でイコン画は必見。

教会周辺は公園になっており、ベオグラード市民の憩いの場となっていまる。街の中心地から少し離れているが、徒歩15分位で行ける。

夜のライトアップでは神々しい雰囲気になり、こちらもオススメ。宿泊先のSquare hotelから歩いてすぐの場所にあったので、夜のライトアップを気軽に見に行けた。

聖マルコ教会

レンガ造りの独特な外観が印象的なセルビア正教会の『聖マルコ教会』。タシュマイダン公園の一角にあり、サヴァ教会の近辺同様、市民の憩いの場所としても親しまれている。内部に収められている美しいイコンも必見。

セルビア国会議事堂

ベオグラード中心部にあるセルビア国会議事堂。明るい白の外壁と青銅のドーム屋根との色の対比が、くすんだ色彩の建物が多いベオグラードの町の中で一際目立つ。夜はライトアップされていてとてもきれい。

カレメグダン要塞

ベオグラードの街中を流れる、ドナウ川とサヴァ川の合流地点にあるカレメグダン要塞。要塞の敷地内には公園、軍事博物館、 恐竜の実寸大フィギュア、動物園などがあり、24時間無料で出入り自由。
紀元前4世紀から作り始められたこの要塞からは、それぞれの時代の文化の特徴と歴史をこの要塞で感じとることができ、実際に使用されていた大砲や戦車が残されている。

要塞の上からは、ドナウ川を眺めることができる。ドナウ川は8月にウイーンでも見てきており、遠くバルカンのベオグラードまで流れてきているとは驚き。

要塞の入り口にある時計塔。

公園内にはセルビアの軍事の歴史にまつわる品々を展示している軍事博物館がある。博物館のすぐ近くには多くの戦車や大砲が並んでいまる。当然兵器は東側諸国のもの。

時計塔と城壁

城壁と塔。昔の城壁がかなり残っている。

クネズ・ミハイロ通り

クネズ・ミハイロ通りは、ベオグラードのメイン通りで、ブティック店やお土産店、カフェやレストランが立ち並んでいる。買い物や食事に迷ったら、この通りに行くとOK。昼時になったので、ベオグラード名物の特大ハンバーガーを食べた。1個100ディナール=100円。1セルビアディナールは約1円なので、日本円と同じ感覚で買い物ができて便利。

クネズ・ミハイロ通りの両脇に並ぶ建物は、ヨーロッパ的なデザインが多く、歩いていて楽しい。この通りを真っ直ぐ歩いて行くと カレメグダン要塞のある公園に行きつく。

ベオグラードは、「ユーゴスラビアの首都」であり、旧ソ連チックな感じのする街で、ソ連時代の建築物や、ユーゴスラビア戦争の傷跡を見ることができる。物価も西欧の3分1程度とかなり安く、割と栄えていてレストランの選択肢も多いので、長期滞在もできる街。THE東欧という感じの街であり、有名観光地と楽しむというよりは、街の雰囲気全体を楽しむスタイルの観光になる。

ベオグラードには途中陸路の移動が遅れた場合のために、余裕日を一日取っており二日目は、旅の疲れを取るために主にホテルで寝て過ごした。

11月12日、フィンランドからバルカン半島を横断した旅の最終日。滞在先のスクエアホテルをチェックアウトして、ホテルの目の前から空港バスが出ているので、ホテルのフロントに料金を確認したところ、300ディナールとのこと。地球の歩き方に250ディナールとあったので、ちょうど250ディナール残し使い切ってしまっていた。仕方なくホテルのフロントに両替を頼んだが、フロントが50ディナール自分の財布から出し、これはギフトだから持っていきなさいと自分にくれた。それは申し訳ないと断ったのだが、いやいや持っていきなさいと言われありがたく頂戴した。セルビア人は見た目はソ連時代の名残か、見た目は不愛想な人が多いのだが、結構親切。

■ベオグラード空港アクセス

ベオグラードのニコラ・テスラ空港へは、空港シャトルバスがスラヴィヤ広場を出発し、 ベオグラード中央駅経由で 40分程度で運行している。
朝7時台から夜18時台には20分毎。それ以外の時間帯は1時間に1本程度。

料金:300ディナール

ベオグラード空港12時55分発のアエロフロート航空モスクワ行きに乗る、機内のドリンクサービスでは、みんなウオッカを注文している。流石モスクワと旧ソ連圏を結ぶ路線。18時40分にモスクワシェレメーチエヴォ空港に到着。モスクワで2時間20分のトランジットの後、21時に東京成田行きのフライトに乗り、成田には定刻の11時40分に到着。

これでフィンランドからバルト3国、ポーランドを経てバルカン半島の国々へと縦断する3週間の東欧旅行が終わった。

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