イベリア半島・マルタ・モロッコ旅行記(ポルトガル・シントラ編)

今日は、リスボンから日帰りでシントラに向かう。

シントラ

シントラは、自然豊かで昔の遺構がある魅力的な街で、シントラ山には王宮、ペーナ宮殿があり、中世の王族や貴族の避暑地として栄えていた。その美しい街並は1995年に世界遺産に「シントラの文化的景観」として登録されている。

加えて、ユーラシア大陸最西端のロカ岬にも近く、併せて訪れるのもオススメしたい。両者は、リスボンからわずか30キロで鉄道が通っておりアクセスも良いので、日帰り旅行先として大人気のスポット。

★リスボンからシントラへのアクセス

リスボンからシントラへは、鉄道でのアクセスが一般的。

シントラへの鉄道はリスボンのロシオ駅かオリエンテ駅から出発し、それぞれ約30おきにシントラ行きが出ている。
便利でオススメなのは、中心部に近いロシオ駅からのアクセス。
今回はシントラと合わせてロカ岬も回るので、7時半の電車に乗ってシントラに向かった。

料金:2.15ユーロ  ※周遊パスを使わない場合
所要時間:約50分前後

★オススメは、「シントラ周遊パス」をリスボン出発前に購入すること
※ロシオ駅の窓口で買える。
値段:€15
このパスで
・リスボン↔シントラ or カスカイス間の鉄道
・シントラ・ロカ岬の循環バス

が乗り放題になり、普通に買うよりオトク!

ロシオ駅では、行き先表示にSINTRAと書いてある電車に乗り、終点のシントラで下車。電車は普通の通勤電車という感じで、乗り心地はまずまず。

電車に乗ること1時間。シントラ駅に到着。
残念ながら昨日に続き今日も雨。。。

まずは、一番のお目当てのペーナ宮殿にバスで向かうことにする。

★シントラ駅からペーナ宮殿へのアクセス

シントラ駅から右手に道沿いを約100m程歩くと、シントラ周遊バス434番のバス停がある。
434バスに乗ったらPena Palaceで下車。
バス停のすぐ側にチケット売り場があり、ムーアの城跡も回る人は、ムーアの城跡との共通チケットを購入(19.95ユーロ)。
ペーナ宮殿の入口からペーナ宮殿までは500mの登り坂。
しんどい人は3ユーロでバスに乗るのもあり。

ペーナ宮殿

シントラの世界遺産群の中で一番人気が、標高529メートルの山頂に建つペーナ宮殿。 リスボンから来た観光客はまずここに向かう。
入り口から500mの坂を登っていくと、森の中にカラフルな外壁が映えてテーマパークのよう。城からの眺めは素晴らしく、天気がよければ大西洋やリスボンまでを一望できる。今日は曇ってたので眺めはいまいち。。。

ペーナ宮殿が建てられたのは1836年のことで、国王フェルナンド2世が、シントラの山頂の廃修道院を購入し、夏の離宮として建設した。

宮殿にはフェルナンド2世のユニークな趣味が反映され、異国の樹木を集めたイギリス式庭園や、カラフルなパステルカラーの外壁、だまし絵が施された壁など、見ていて飽きない。
建築様式は「ゴシック様式」「ルネサンス様式」「マヌエル様式」「イスラム様式」「ムーア様式」などの寄せ集めで、欧州とイスラムが併存していて、この風変わりな感じが観光客に大人気を博している。


ペーナ宮殿の見学を終えたら入口まで坂を下り、入口を出たら左手に進み、バスで来た道を10分弱徒歩で戻ると、ムーアの城跡のチケット販売所に到着する。
シントラを巡るバスの運行は1方向で、ペーナ宮殿からムーアの城跡は逆方向になってしまうので、歩いて向かった。

ムーアの城跡

ムーアの城壁は、9世紀頃に ポルトガル・スペインに侵入したムーア人によって作られた城の跡。1147年に当時の王アルフォンソ一世により城は落とされ、その後、1755年の地震で崩壊したが、19世紀にフェルナンド二世によって大規模な再興工事が施工され、現在の姿になった。
現在でも、ムーアの城壁には謎が多く、その歴史に関して研究が続けられている。
標高450メートルの尾根に築かれた、ムーアの城壁は、周辺の広い範囲が見学可能。

城の入口を入ると、四方八方に転がった岩を眺めながら10分程斜面の歩道を歩く。

入り口から歩くこと10分、ムーアの城壁が現れる。時刻は正午近く。山は霧に包まれた。

晴れた日はここから絶景が見れるらしいが、今日はあいにくの雨模様。

ムーアの城跡の見学を終えたらバス停(Moorish Castle)まで戻り、434番バスに乗って、シントラ宮殿(Sintra National Palace)に行く。

シントラ宮殿

シントラ宮殿は10世紀に作られたが、現在のシントラ宮殿の建築様式は16世紀に生まれたゴシック様式、マヌエル様式、ムーア様式の混ざったもので、ペーナ宮殿と同様で様々な建築形式のごちゃ混ぜスタイル。
15世紀から19世紀末にかけて、ポルトガル王家が夏の離宮として使用していたこのシントラ宮殿は、欧州からイスラムまで様々な文化が入り混じっている。
白と黄色を基調にしたシントラ宮殿。先ほどのペーナ宮殿と違って、シンプルな外装。白鳥の間や紋章の間、アラブの間などテーマ別に部屋が飾られている。

開園時間:9時半~18時
料金:8.5ユーロ

このシントラ宮殿の内部で、最も豪華絢爛な「紋章の間」。壁一面に描かれた鮮やかなブルーのアズレージョと金箔で色付けされた天井画は圧巻。
紋章の間には、ドーム型の天井いっぱいに飾られた黄金の紋章があり、金箔の唐草模様の縁で飾られた王家の紋章を中心に、周りにはロイヤルファミリーの8つの紋章、さらにその周りには全部で72もの貴族たちの紋章が飾られている。

シントラ宮殿を見終わった後は、435番のバスでシントラ駅に戻った。バスは25分間隔で走っており、10~20分でシントラ駅に着く。
ロカ岬に行くバスの時刻まで、時間があったのでシントラ駅近辺で遅めの昼食にパンを食べる。

★シントラ駅からロカ岬への行き方

ロカ岬行き403番のバス停は、駅の入口から見てペーナ宮殿に行くときに乗った434番バス停の逆側にある。
434番バスの行き先はカスカイス(Cascais)で、ロカ岬はその途中に通る。
バスは30分おきに走っており、約40分でロカ岬に到着する。

ロカ岬

シントラ駅からの403番バスは、40分程広大な緑の中を走り、海岸線が見えてきたらそこはロカ岬。
バスを降り海へ向かうと、その先に見えているのユーラシア大陸最西端の記念碑。 白い十字架を乗せた記念碑が建つのは、140メートルもある断崖絶壁の上。 「ここに地果て、海始まる」という、 詩人カモンイスの詩の一節が刻まれた記念碑がある。

舗装された道を歩いて行くと・・・。記念碑に到着。

碑文にはポルトガルの国民的詩人カモンイスの叙事詩 Os Lusiadas(ウズ・ルジアダス) 第 3の詩第 20節から引用の 1行「ここに地果て海始まる」が刻まれている。

aqui…
Onde a terra se acaba e o mar comeca…「ここに地終わり 海始まる」

スペイン語がそれなりに分かるので、似たようなポルトガル語の内容も何となく分かった。

ユーラシア大陸最西端の緯度が示されている。
地の果てに来たんだなあと実感 。
Latitude- 38″ 47′ Norte (北緯38度47分)
Longitude – 9 30′ Oeste  (西経9度30分)
Altitude – 140 m sobre o mar (海抜140メートル)

記念碑から上り坂の方へ戻ると、奥に赤い屋根の灯台が見える。この灯台は18世紀に建てられ、今も現役の灯台。灯台へは少し上り坂を上って行くことになる。

灯台の入り口は閉まっており、関係者以外入れないらしい。
まあ、現役の灯台だからそうか。。。

ロカ岬(Cabo da Roca)の Rocaは「岩山」を意味しており、その文字通りの眺めで、ここユーラシア大陸の最西端はゴツゴツとした岩山が海沿いに連なっている。ここから西は大海原で、遮るものもなく夕陽を眺めるには絶好の場所。
ただ、今は雨で夕日は見えるのか??

視界の先に広がるのは、だだっぴろい青い大西洋だけで、ここがなぜ『地の果て』と呼ばれるようになったかが分かる気がする。

火曜サスペンス感がある絶壁

時刻は17時半、急に雨が止み辺りを覆っていた霧が晴れてきた。夕日は完全にあきらめていたので、次のバスで帰ろうとしていたが夕日を見ることに。
今日一日中雨だったのに、何という奇跡!

夕日が大西洋に沈み、オレンジ色の光がうっすらと海に残る。
暫くして辺りは急に闇に包まれていった。

さて、思いがけず夕日も見れたし、リスボンに戻ることにする。
ロカ岬からはシントラ駅まで戻らず、引き続き403番のカスカイス行きに乗り駅に行く方が早い。 カスカイス駅には30分弱で到着。

カスカイス駅から電車に乗りリスボンに戻る。カスカイス発の電車は行きに使ったロシオ駅でなく、Cais do Sodre駅行きになる。Cais do Sodre駅もリスボン中心部にありロシオ駅同様便利な駅。
電車は20分間隔で走っていて、Cais do Sodre駅には40分程度で到着する。

リスボン中心部には20時前に到着。
今日は自然いっぱいの郊外旅行を楽しむことができた。明日はリスボン市内を観光した後、夜の便で帰国の途につく。

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